長生炭鉱の坑口。雑木林を切り開いて、地元市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が発掘した。沖に見える二つの円柱がピーヤ(排気口)=山口県宇部市で2025年4月2日、栗原俊雄撮影 できない理由、やらなくていい理由ばかり並べ立ててきた。その政府が、ようやく動き出すのだろうか。長生炭鉱(山口県宇部市)の遺骨収容問題だ。石破茂首相が国会で前向きな答弁をし、所管の厚生労働省が専門家にヒアリングを始めた。 海底に延びる長生炭鉱で1942年2月3日、落盤事故が起きた。朝鮮半島出身の労働者136人と日本人47人の計183人が亡くなった。遺骨を収容して遺族に返すため、地元の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が独自に調査を進めている。 4月7日、参議院の決算委員会で社民党の大椿裕子議員が、政府に遺骨収容への支援を求めた。石破首相は、現状の長生炭鉱の調査について「安全性において相当の懸念がある状況だ